経済学を学ぶ前に、経済学とはそもそも何なのか。何のためにあるのか。そして何のために経済学を学ぶのか。ここをしっかりさせておくとスムーズに勉強することができるはずです。やさしく解説しました。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
経済学とは、個人、企業、政府などさまざまな組織が、どのように選択を行い、その選択によって社会の資源がどのように使われるかを研究する学問のことです。
たとえば、最近よく言われている「格差の拡大」はなぜ起きたのか、また、日本人による自動車メーカーがなぜ成功したのか、弁護士として働く人の数と農業の労働者の数を決めるのはいったい何なのか。そしてそのことが社会にどんな影響を与えるのでしょうか。そしてよりよくするために個々は何をすべきなのか、こういったことを、経済学というツールを利用して、我々はより深く考察することができるようになります。
経済学について学ぶ前に、トレードオフ、インセンティブ、交換、情報、分配、といった概念を知っておく必要があります。
トレードオフとは、何かを選択するときに何かをあきらめなくてはならないことを意味します。150円持っていて、ポテトチップスとチョコレートが欲しい場合、金額的にどちらかをあきらめなくてはなりません。両方買うことは難しいでしょう。
そして、選択をする際にはそれを決定するに至る理由が存在します。チョコレートがたまたま安売りをしていたのなら、あなたはポテトチップスよりチョコレートにひきつけられることになるでしょう。これをインセンティブ(誘引)といいます。
さらに他の人との交換が可能になれば、選択の範囲は拡大します。選択肢が広がると、選択が難しくなります。賢明な選択をするためにあなたは情報を手にする必要を感じるはずです。たとえばチョコレートが安い理由は賞味期限があと3時間しかないからだった、という情報が手に入ればあなたの選択は変化するかもしれません。
私達がどのような教育を受け、どんな職業に就き、どんな商品を買うのか、といった選択は、社会の富や所得の分配を決めていきます。
経済学的な考え方を学ぶということは、直面するトレードオフとインセンティブを発見する方法を学び、交換や情報の果たす役割と、それらが分配に及ぼす結果の意味を学ぶ、ということになります。
これらの概念は、経済学者がさまざまな問題を考える際の手がかりでもあります。
たとえば、最近よく言われている「格差の拡大」はなぜ起きたのか、また、日本人による自動車メーカーがなぜ成功したのか、弁護士として働く人の数と農業の労働者の数を決めるのはいったい何なのか。そしてそのことが社会にどんな影響を与えるのでしょうか。そしてよりよくするために個々は何をすべきなのか、こういったことを、経済学というツールを利用して、我々はより深く考察することができるようになります。
経済学について学ぶ前に、トレードオフ、インセンティブ、交換、情報、分配、といった概念を知っておく必要があります。
トレードオフとは、何かを選択するときに何かをあきらめなくてはならないことを意味します。150円持っていて、ポテトチップスとチョコレートが欲しい場合、金額的にどちらかをあきらめなくてはなりません。両方買うことは難しいでしょう。
そして、選択をする際にはそれを決定するに至る理由が存在します。チョコレートがたまたま安売りをしていたのなら、あなたはポテトチップスよりチョコレートにひきつけられることになるでしょう。これをインセンティブ(誘引)といいます。
さらに他の人との交換が可能になれば、選択の範囲は拡大します。選択肢が広がると、選択が難しくなります。賢明な選択をするためにあなたは情報を手にする必要を感じるはずです。たとえばチョコレートが安い理由は賞味期限があと3時間しかないからだった、という情報が手に入ればあなたの選択は変化するかもしれません。
私達がどのような教育を受け、どんな職業に就き、どんな商品を買うのか、といった選択は、社会の富や所得の分配を決めていきます。
経済学的な考え方を学ぶということは、直面するトレードオフとインセンティブを発見する方法を学び、交換や情報の果たす役割と、それらが分配に及ぼす結果の意味を学ぶ、ということになります。
これらの概念は、経済学者がさまざまな問題を考える際の手がかりでもあります。
PR
私達はみんな、常に選択を行っています。寿司を食べるのかパンを食べるのか、大学に進学するのか就職するのか、これらはすべて選択行動です。個人に加えて、社会も選択を行います。住宅として供給せずに駐車場として保有したり、政府支出を増やさずに減税を選択したり。
どんな選択であれ、そこにはトレードオフが存在します。あるひとつのものをより多く入手するということは、他のものをより少量しか入手できないことを意味します。この希少性のために、トレードオフに直面せざるを得ないのです。
希少性は経済学でよく出てくる概念です。選択が重要なのはそもそも資源が稀少だからです。ほとんどの人の所得は限られており、欲しいものをすべて得ることはできないので選択を行わざるを得ません。家賃の高いマンションを借りれば、それだけ遊びに使えるお金が減る。
また、莫大な資産家で欲しいものを何でも手に入れられる人にもトレードオフは存在する。時間をひとつの資源だと考えれば、毎日どんな遊びをするのか決めなくてはならない。一日が限られた時間である以上、どんな大金持ちだとしても今日遊びきれない遊びは、あきらめるしかない。
経済学においてもっとも重要な点は、希少性の果たす役割が重要という点です。あるモノをより多く手に入れるには、他の何かをあきらめなくてはならない。希少性は、トレードオフが存在するという事実を表しているのです。
どんな選択であれ、そこにはトレードオフが存在します。あるひとつのものをより多く入手するということは、他のものをより少量しか入手できないことを意味します。この希少性のために、トレードオフに直面せざるを得ないのです。
希少性は経済学でよく出てくる概念です。選択が重要なのはそもそも資源が稀少だからです。ほとんどの人の所得は限られており、欲しいものをすべて得ることはできないので選択を行わざるを得ません。家賃の高いマンションを借りれば、それだけ遊びに使えるお金が減る。
また、莫大な資産家で欲しいものを何でも手に入れられる人にもトレードオフは存在する。時間をひとつの資源だと考えれば、毎日どんな遊びをするのか決めなくてはならない。一日が限られた時間である以上、どんな大金持ちだとしても今日遊びきれない遊びは、あきらめるしかない。
経済学においてもっとも重要な点は、希少性の果たす役割が重要という点です。あるモノをより多く手に入れるには、他の何かをあきらめなくてはならない。希少性は、トレードオフが存在するという事実を表しているのです。
個人や企業がどのように選択を行うのか、そして選択は環境が変化した場合にはどのように変化するのでしょうか。新たな技術が開発されると、企業は労働力を増やすのかそれとも減らすのか、ガソリン価格の変化は個人の買う自動車の種類に影響を与えるのでしょうか。
選択に直面すると、人はそれぞれの選択肢の良い面と悪い面を比較検討します。企業なら、企業収益に与える良い影響・悪い影響を評価するでしょう。たとえば小売チェーン店が新規出店する場所を決める場合には、立地条件の利点を比較検討する必要があります。通行人が多いが家賃が高い場所と、通行人は少ないが家賃が安い場所で経営者は悩むかもしれません。
意思決定者が、自分が直面する選択肢の良い面と悪い面を体系的に比較検討するなら、経済環境が変化した場合に意思決定者の対応がどう変化するかを予測することができます。決定がルールに従ってシステマチックにおこなわれるなら、どんな決定が行われるか予測できるということですね。
ガソリン価格が上昇すると自動車を運転するためのコストも上昇しますが、燃費の良い自動車ならコスト上昇の程度は低くなります。したがって、自動車を買おうと考えている家系は燃費の良い自動車を買う強いインセンティブを持つことになります。また、企業がインターネットを使った財の販売量を増やすと、小売店を歩いて訪れる人に依存する必要が少なくなります。すると、立地条件の良い店舗のために高い家賃を支払おうとするインセンティブは下がります。
経済学では、選択行動を分析する際にはインセンティブに注目します。経済学で言うインセンティブとは、特定の選択を行うことが意思決定者にとって望ましくなるような便益(費用の減少も含む)のことをさします。
インセンティブに影響を与えるものは多いですが、なかでも重要なのは価格です。ある財に価格が上昇すれば、企業はその財の生産量を増やして収益を増加させようとします。労働や機械設備といった生産活動に用いられる資源の価値が上昇すると、そうした資源を節約するような新たな生産方法を見つけ出そうとするインセンティブが高まります。また、大卒者の所得が高卒者に比べて高ければ高いほど、人々は大学に通うインセンティブを持つようになります。
経済学者は人々や企業の行動を分析する時、彼らの直面しているインセンティブに注目します。インセンティブが簡単に判明する場合とそうでない場合があります。たとえば、生物学先行の必修科目が増えれば生物学を選ぶインセンティブが低下しますが、これは簡単な例ですね。しかしたとえば、自動車の安全性が高まれば高まるほど、運転速度を上げようとするかもしれません。
経済学では、個人や企業の選択行動を理解する際にはさまざまな行動を行うインセンティブや、行動しないインセンティブを明確にすることを、まず行います。意思決定者はインセンティブに反応します。選択行動を理解するためにはインセンティブが重要といえます。
選択に直面すると、人はそれぞれの選択肢の良い面と悪い面を比較検討します。企業なら、企業収益に与える良い影響・悪い影響を評価するでしょう。たとえば小売チェーン店が新規出店する場所を決める場合には、立地条件の利点を比較検討する必要があります。通行人が多いが家賃が高い場所と、通行人は少ないが家賃が安い場所で経営者は悩むかもしれません。
意思決定者が、自分が直面する選択肢の良い面と悪い面を体系的に比較検討するなら、経済環境が変化した場合に意思決定者の対応がどう変化するかを予測することができます。決定がルールに従ってシステマチックにおこなわれるなら、どんな決定が行われるか予測できるということですね。
ガソリン価格が上昇すると自動車を運転するためのコストも上昇しますが、燃費の良い自動車ならコスト上昇の程度は低くなります。したがって、自動車を買おうと考えている家系は燃費の良い自動車を買う強いインセンティブを持つことになります。また、企業がインターネットを使った財の販売量を増やすと、小売店を歩いて訪れる人に依存する必要が少なくなります。すると、立地条件の良い店舗のために高い家賃を支払おうとするインセンティブは下がります。
経済学では、選択行動を分析する際にはインセンティブに注目します。経済学で言うインセンティブとは、特定の選択を行うことが意思決定者にとって望ましくなるような便益(費用の減少も含む)のことをさします。
インセンティブに影響を与えるものは多いですが、なかでも重要なのは価格です。ある財に価格が上昇すれば、企業はその財の生産量を増やして収益を増加させようとします。労働や機械設備といった生産活動に用いられる資源の価値が上昇すると、そうした資源を節約するような新たな生産方法を見つけ出そうとするインセンティブが高まります。また、大卒者の所得が高卒者に比べて高ければ高いほど、人々は大学に通うインセンティブを持つようになります。
経済学者は人々や企業の行動を分析する時、彼らの直面しているインセンティブに注目します。インセンティブが簡単に判明する場合とそうでない場合があります。たとえば、生物学先行の必修科目が増えれば生物学を選ぶインセンティブが低下しますが、これは簡単な例ですね。しかしたとえば、自動車の安全性が高まれば高まるほど、運転速度を上げようとするかもしれません。
経済学では、個人や企業の選択行動を理解する際にはさまざまな行動を行うインセンティブや、行動しないインセンティブを明確にすることを、まず行います。意思決定者はインセンティブに反応します。選択行動を理解するためにはインセンティブが重要といえます。
前述のように、どんな人も選択に直面し、選択する際にはインセンティブに反応します。そして、ほとんどの人々の経済的な生活は無数の他の人々の生活と関係しています。たとえば、中国で栽培された野菜を食べ、台湾で作られた靴を履き、日本で作られた自動車に乗っているといった具合にです。
個人、家系、企業、政府が行う意思決定が結合されて、経済の稀少な資源、具体的には土地や労働、機械、石油、その他の自然資源がどのように使用されるかが決まります。消費者、労働者、投資家、経営者、そして政府官僚による無数の意思決定はどのように影響試合、社会にとって利用可能な希少資源の使用方法を決めるのでしょうか? そして、稀少な資源を可能なかぎり最善な方法で用いることを保証する仕組みというものは存在するのでしょうか? それらの問いに対する鍵となるのが、市場における自発的交換の果たす役割です。
産業社会が登場するはるか以前から、交換の便益は周知のことでした。沿岸沿いの村は捕獲した魚の一部を内陸部の村で捕獲された肉や毛皮と交換していました。海岸沿いの村の人々にとって、手放した魚より肉や毛皮の方が価値があったことになります。また、内陸部の村の人々にとっては、手放した肉や毛皮以上に魚に価値を見出していました。海岸沿いの村の人々も内陸部の村の人々も、ともに自発的な財の交換によって便益が得られたということです。
現代社会では無数の財の交換が行われています。すべてを自給自足で完全に自分独りで生産している人はほとんどいません。教師、警察官、法律家、建設現場労働者は、それぞれ自分の労働力を、学区や街、顧客、住宅建設業者に売り、それによって得た所得と交換に、他の人々が生産した財やサービスのうち自分が欲しいと思うものを得ます。経済学から得られる見識は、自発的に交換を行う両方の当事者がともに利益を得られるということです。自発的な交換を行うのが、ふたりの個人であっても、個人と企業であっても、あるいは、異なる国の住人同士であっても、その交換は両方の当事者の幸福度を改善するのです。
経済学では、交換が起こる状況は全て市場とみなされます。製造業者が生産に必要な原料を購入する際、それは貨幣と交換されます。別の財と交換されるわけではありません。カメラから衣服までたいていの財は生産者から消費者に直接販売されるわけではありません。まず生産者から卸売業者へ、卸売業者から小売業者へ、さらに、小売業者から消費者へと販売されます。こうした取引はすべて、市場及び市場経済という概念で包括的にとらえることができます。
市場経済では、多くの財の交換は市場を通じて行われ、交換は価格に基づいて行われます。希少性の高い財・サービスや、生産に多くの資源を必要とする財・サービスは価格が高くなります。自動車が歯ブラシより高価であるように、弁護士への依頼料はアパートの家賃より高かったりします。市場においては、消費者と企業は希少性を反映した選択を行い、資源が効率的に使用されるようになります。
市場経済では、経済的意思決定を行うのは、個人や企業です。個人の行う意思決定には、直面するインセンティブに反応した各自の欲求が反映されています。企業は利潤が最大になるように決定しますが、そのためには、最も低いコストで消費者が望む財を生産できるように努力します。このような過程を経ることで、何がどのように、また誰のために生産されるのかが決まります。企業が利潤追求のために競争した結果、消費者は生産される財とその財の供給価格の両方から便益を受けることになります。全体として、市場は資源が効率的に使用されることを保証する形になる。
しかし、市場が社会にとって望ましくない結果をもたらす場合もあります。ひどい公害問題が発生したり、富の不平等が大きすぎたり。市場がうまく機能していないと考えられる場合、人々は政府に頼ろうとします。何をどのように、誰のために生産するかという決定は、基本的には消費者と生産者の自由な相互関係の結果として決定されるのですが、そのようなケースばかりではなく、場合によっては政府が意思決定することもあります。また、政府が規制を課す事で、企業や家計のインセンティブに影響を与えることもあります。民間部門と公共部門が共存する場合も多く存在します。
政府はあらゆる市場経済において重要な役割を果たしています。アメリカでは政府が法律の枠組みを定め、民間企業や個人はその下で活動します。政府は企業活動に規制を加え、企業が人種や性別による差別を行わないこと、消費者を欺かないこと、従業員の安全に注意すること、大気や水を汚染しないことなどを保証しています。
意思決定が政府に集中化・集権化されている国では、政府官僚が、向上が何をどれだけ生産すべきかを決定し、また、賃金水準も決定すると考えられます。旧ソビエト連邦や中国では近年まで実際に資源配分に関する重要な意思決定の全てを政府が管理しようとしていました。ヨーロッパでも多くの国々の石油、石炭採掘、通信関連の企業は最近まで国営でした。しかし、徐々にそうした国の政府は国営企業を民間部門に売却しています。こうした動きを民営化と呼びます。
個人や企業が何を生産し、どれだけ支払うかを決定する市場経済は、新しい技術や生産物を開発する上でも優位であることは明らかです。政府官僚が、I-podやWiiなどを開発することは想像しづらいです。市場はまた、資源が効率的に使われることを確実なものとします。
どのように資源が分配され、何が生産されて、誰が何を得ているのか、を理解するための鍵となるのが、「市場で行われる財の交換」です。
個人、家系、企業、政府が行う意思決定が結合されて、経済の稀少な資源、具体的には土地や労働、機械、石油、その他の自然資源がどのように使用されるかが決まります。消費者、労働者、投資家、経営者、そして政府官僚による無数の意思決定はどのように影響試合、社会にとって利用可能な希少資源の使用方法を決めるのでしょうか? そして、稀少な資源を可能なかぎり最善な方法で用いることを保証する仕組みというものは存在するのでしょうか? それらの問いに対する鍵となるのが、市場における自発的交換の果たす役割です。
産業社会が登場するはるか以前から、交換の便益は周知のことでした。沿岸沿いの村は捕獲した魚の一部を内陸部の村で捕獲された肉や毛皮と交換していました。海岸沿いの村の人々にとって、手放した魚より肉や毛皮の方が価値があったことになります。また、内陸部の村の人々にとっては、手放した肉や毛皮以上に魚に価値を見出していました。海岸沿いの村の人々も内陸部の村の人々も、ともに自発的な財の交換によって便益が得られたということです。
現代社会では無数の財の交換が行われています。すべてを自給自足で完全に自分独りで生産している人はほとんどいません。教師、警察官、法律家、建設現場労働者は、それぞれ自分の労働力を、学区や街、顧客、住宅建設業者に売り、それによって得た所得と交換に、他の人々が生産した財やサービスのうち自分が欲しいと思うものを得ます。経済学から得られる見識は、自発的に交換を行う両方の当事者がともに利益を得られるということです。自発的な交換を行うのが、ふたりの個人であっても、個人と企業であっても、あるいは、異なる国の住人同士であっても、その交換は両方の当事者の幸福度を改善するのです。
経済学では、交換が起こる状況は全て市場とみなされます。製造業者が生産に必要な原料を購入する際、それは貨幣と交換されます。別の財と交換されるわけではありません。カメラから衣服までたいていの財は生産者から消費者に直接販売されるわけではありません。まず生産者から卸売業者へ、卸売業者から小売業者へ、さらに、小売業者から消費者へと販売されます。こうした取引はすべて、市場及び市場経済という概念で包括的にとらえることができます。
市場経済では、多くの財の交換は市場を通じて行われ、交換は価格に基づいて行われます。希少性の高い財・サービスや、生産に多くの資源を必要とする財・サービスは価格が高くなります。自動車が歯ブラシより高価であるように、弁護士への依頼料はアパートの家賃より高かったりします。市場においては、消費者と企業は希少性を反映した選択を行い、資源が効率的に使用されるようになります。
市場経済では、経済的意思決定を行うのは、個人や企業です。個人の行う意思決定には、直面するインセンティブに反応した各自の欲求が反映されています。企業は利潤が最大になるように決定しますが、そのためには、最も低いコストで消費者が望む財を生産できるように努力します。このような過程を経ることで、何がどのように、また誰のために生産されるのかが決まります。企業が利潤追求のために競争した結果、消費者は生産される財とその財の供給価格の両方から便益を受けることになります。全体として、市場は資源が効率的に使用されることを保証する形になる。
しかし、市場が社会にとって望ましくない結果をもたらす場合もあります。ひどい公害問題が発生したり、富の不平等が大きすぎたり。市場がうまく機能していないと考えられる場合、人々は政府に頼ろうとします。何をどのように、誰のために生産するかという決定は、基本的には消費者と生産者の自由な相互関係の結果として決定されるのですが、そのようなケースばかりではなく、場合によっては政府が意思決定することもあります。また、政府が規制を課す事で、企業や家計のインセンティブに影響を与えることもあります。民間部門と公共部門が共存する場合も多く存在します。
政府はあらゆる市場経済において重要な役割を果たしています。アメリカでは政府が法律の枠組みを定め、民間企業や個人はその下で活動します。政府は企業活動に規制を加え、企業が人種や性別による差別を行わないこと、消費者を欺かないこと、従業員の安全に注意すること、大気や水を汚染しないことなどを保証しています。
意思決定が政府に集中化・集権化されている国では、政府官僚が、向上が何をどれだけ生産すべきかを決定し、また、賃金水準も決定すると考えられます。旧ソビエト連邦や中国では近年まで実際に資源配分に関する重要な意思決定の全てを政府が管理しようとしていました。ヨーロッパでも多くの国々の石油、石炭採掘、通信関連の企業は最近まで国営でした。しかし、徐々にそうした国の政府は国営企業を民間部門に売却しています。こうした動きを民営化と呼びます。
個人や企業が何を生産し、どれだけ支払うかを決定する市場経済は、新しい技術や生産物を開発する上でも優位であることは明らかです。政府官僚が、I-podやWiiなどを開発することは想像しづらいです。市場はまた、資源が効率的に使われることを確実なものとします。
どのように資源が分配され、何が生産されて、誰が何を得ているのか、を理解するための鍵となるのが、「市場で行われる財の交換」です。
アーカイブ